2010年3月31日水曜日

透明な物体のレンダリング

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透明な質感をレンダリングする場合、不透明の場合に比べて注意する点が多い。
その中でも特に基本的な、レイトレースの反射・屈折の設定について。



透明な質感をレンダリングする場合、レンダリングするシーンに応じて
レイの反射/屈折/最大トレースデプス を設定する必要がある。
それぞれの値が大きければ正しく描画される可能性は高いが、その分
レンダリング負荷が増すので、必要最低限の数値設定を行うことが重要。



サンプル画像では球体に[mia_material]のプリセット[GlassSolid]を使用している。







1.正しく評価できる環境を作る

 レイが屈折の上限を超えた箇所は黒く描画されるので、
 シーン内に黒い場所があると評価が難しくなる。
 そこでカメラのバックグラウンドを白くするなどし、効果を明確にする。



Tranclate_002




2.メンタルレイの[Quality Preset]が[Draft]の状態でレンダリング

 [Raytracing]欄内の設定は、
  Reflection(反射回数): 1
  Refraction(屈折回数): 1
  Max Trace Depth(最大トレース回数): 2

 [Max Trace Depth]は1本の光線に反射・屈折合わせて何回までトレースするかの設定。



Translate_001
(サンプル:屈折回数が少ないので透明箇所が黒くなる)




3.反射・屈折が正しく描画されるまで数値を上げる


 透明な筈のボールが黒いのは光線のトレース回数が少なく、途中で計算が終わっている為。
 これらの回数を、不当に黒い部分がなくなるまで以下の手順で上げていく。
  1.[Max Trace Depth]に適当に大きな値(20など)を入れる。
  2.[Reflection]の値を、レンダー結果に変化がなくなるまで1ずつ上げていく。
  3.2で変化がなくなったら、次は[Refraction]を同様に上げていく。
  4.2、3を交互に変化がなくなるまで続ける
  5.最後に[Max Trace Depth]を[Reflection]+[Refraction]以下の数値で
   変化の起きない値まで下げる
 
 サンプルでは、
  Reflection(反射回数):1
  Refraction(屈折回数):2
  Max Trace Depth(最大トレース回数):3

 となった。もっと複雑なシーンであればこれらの数値も増える。



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2010年3月30日火曜日

アトリビュートなどを別ウインドウで表示する

Mayaのデフォルト設定では、Attribute Editor、Tool settings、Layer Editorは
メインウインドウ右端を切り替えて表示されるが、
これらをフローティング・ウインドウで表示させる方法。
設定は好み次第だがSoftimageとの併用などがある場合、
Attribute EditorとTool settingsはフローティングにしてる方が使いやすい気がする。

1.[Window]→[Setting/Preferences]→[Preferences]でPreferencesウインドウを開く
2.[Categories]で[Interface]を選び、右枠[Interface]内の「Open~」の設定を切り替える



Separate01

 「In separate window」 ・・・フローティングウインドウで表示
 「In main Maya window」・・・メインウインドウ右端に表示


※Maya2011ではUIの仕組みが変わったため、この設定項目がなくなった。
  メインウィンドウからほとんどのウィンドウを直接切り離すことができる。



2010年3月27日土曜日

自然なレイ・トレースシャドウの作成方法

mental-rayを用いた自然なボケあしの付いた影の作成。
通常のレイ・トレース・シャドウでは輪郭のはっきりした影が生成されるが、
エリアライトを用いる事で自然な影が表現できる。



Shd_ar_02



1.[Create]→[Lights]→[Area Light]を選択し、エリアライトを作成。
 作成したエリアライトの大きさ・方向などを調整する。

2.ライトのアトリビュートを開く。
 [Shadows]の中にある[Raytrace Shadow Attributes]枠内の
 [Use Ray Trace Shadows]にチェックを入れる。



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ディレクショナルライトなど他のライトでは以上で設定完了だが、
エリアライトは他ライトと少し扱いが違うので、
これだけではノイズだらけの影が生成される。
[Shadow Rays]などを増やす事によって軽減は出来るが、解消はしない。



Shd_ar_01



3.ライトのアトリビュート内[mental ray]を開き、[Area Light]枠内の
 [Use Light Shape]にチェックを入れる。
 その後ノイズが消えるまで[High Samples]の数値を上げる。



4.自然なボケを表現するため、ライトの減衰を変更する。
 アトリビュート最上部[Area Light Attributes]内の
 [Decay Rate]を[Quadratic]に変更し、[Intensity]の値を10~20倍する。
 (Decay Rateを変更すると減衰量が増すため、強度も増して調整)



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2010年3月25日木曜日

Maya2011発表

先日のGDC10で発表されたAutodeskMaya2011。
アニメーション機能の強化が主な内容だったが、
やはり個人的にはQtUIを用いて一新されたインターフェイスが気になる。



Maya2011_ui



MELにも統合されてるらしく、今後はQtDesignerってツールでUIを作成し、
出来たUIをMELで呼び出して使用するらしい。

AREAで公開されている紹介動画を観た限りだとそこそこ使いやすそうではあるけど、
QtDesigner上でパーツに直接MELコマンドを埋め込んでる辺りがちょっと面倒くさそう。
私のような適当MEL書きには「どこまでQt?どこまでMEL?」ってなりそうで…。

まぁ、もし今後SoftimageやMaxもQt使ってくれるなら、頑張って覚える価値もありそう。
とりあえずQtDesigner触ってみるか。

既存機能の操作感は従来とほとんど変わらなさそうで、これは良かった。